賃料増額
一般的に、不動産の賃貸を行う際には、賃借人を保護するための法律である借地借家法が適用されることになります。
そのため、当初定めていた契約期間が満了しても、賃貸人側が賃貸借契約の更新を拒絶するためには正当事由が必要となります。
このことから、賃貸借契約は長期化するケースが多く、当初設定していた賃料がそのまま維持されている場合も少なくありません。
そのため、経済事情や物件の周辺環境の変化などによって、不相当な賃料となっていることが考えられます。
ここでは、賃料増額についてご紹介します。
■賃料の値上げが認められる場合
・当事者間の合意
賃貸人と賃借人との間で合意があれば、賃料を変更することが可能です。
・賃料増額の請求
上記では、当事者間の合意を挙げましたが、賃貸人は賃料を高くしたいと考え、賃借人は賃料を低くしたいと考えることが当然です。
そのため、話し合いにより円滑に合意に至るというケースは稀であると言えます。
そのような際は、賃料増額の請求を行うことになります。
法律では、土地もしくは建物に対する租税その他の負担の増減があったとき、土地もしくは建物の価格の上昇もしくは低下その他の経済事情の変動があったとき、近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき、これら3点を挙げて、賃料の増減の請求が可能であるとしています。
これら、3点以外の場合においても、賃料が相当ではないと言える理由があれば、賃料の増減が認められます。
しかし、注意点として、上記のような事情に該当していたとしても、賃料が不相当であるということが説明できないと賃料の増減は認められません。
■賃料増額の手続き
賃料増額の手続きは、賃借人から賃貸人への通知が行われることによって、効果が生じます。
口頭での取り決めも有効とされますが、のちに通知があったことを証明できるように、内容証明郵便による通知を行うことが重要です。
内容は、賃料を変更する日付、変更される賃料について、明確に記載する必要があります。
しかし、賃借人はこの通知に応じる義務はないため、話し合いで賃料が確定しないことがあります。
そのような際は、調停を申し立てることになります。
そして、調停でも合意に至らない場合は、裁判を提起する必要があります。
以上が、賃料増額についての説明になります。
賃料の増額を行うには、法的措置を取らない場合であっても、専門知識や手間を要します。
お困りの方は、専門家に相談することをおすすめします。
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