民事再生

民事再生とは、借金が返済できないことを裁判所に認めてもらうことで、借金の金額を最大80%減額してもらう手続きのことを指し、民事再生法が規定する裁判手続です。
債務や赤字などを抱えていることを理由に、経済的に困っている個人や企業に対して、債権者の同意を得た上で、裁判所の話し合いによって利害を調整することで、個人や法人の再建を図ります。

■民事再生と個人再生
民事再生手続は、通常の民事再生と個人再生の2つに分けられます。
民事再生は、個人・法人を問わず利用が可能ですが、手続きが煩雑となっています。
その理由として、民事再生は法人向けの制度となっており、債権者が多数存在することを前提に設計されているためです。
これに対して、個人再生は個人のみを対象としているため、通常の民事再生と比較して、手続が簡略化されており、利用しやすい制度となっています。
具体的には、債権者集会が開かれないなどの違いが存在します。

■個人再生の流れ
次に、個人再生の流れについてご紹介します。

・専門家に相談
まずは、専門家に相談することをおすすめします。
相談者の事情に合った債務整理の方法を提案することが可能です。
その中で、個人再生を提案され、納得できれば、委任契約を結びます。

・弁護士から金融業者に受任通知を発送
まず、弁護士が、受任通知書を発送します。
通知が業者に届いた時点で請求が止まります。

・個人再生の申立
債権の内容や、本人の収支・財産の調査を行い、申立書を作成します。
そして、完成した申立書を裁判所に提出します。

・個人再生手続の開始
この間、返済能力を確かめる履行可能テスト(毎月末日までに一定の金額を支払うテスト)というものを行います。
そして、数回のテストが終われば、裁判所が個人民事再生手続の開始を決定します。

・再生計画案の作成・提出
次に、申立をしてから約5ヶ月後に再生計画案の作成に移ります。

・再生計画案の決議
債権者から、反対意見が出た場合には、さらに弁護士と打ち合わせを行い、対応策を検討します。

・再生計画の認可・返済開始
そして、裁判所によって再生計画の認可・不認可が決定されます。
裁判所が認可すれば、手続きは終了します。
その後、裁判所に申立後、約9～12ヶ月後から返済が始まります。

以上が、民事再生の説明になります。
民事再生であったり、個人再生の種類によっては手続きの流れや、必要な手続きなどが異なりますが、民事再生の手続きは大変であると言えます。
民事再生を検討している方は、専門家に相談することをおすすめします。

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